四六判/フランス装 |
344頁 |
ISBN:978–4–86333–198–3 C0097 |
価格 2,530円(本体2,300円) |
発行日:2023/10/25 |
国民党退役軍人の老陳は、病院で知り合った老姜と義兄弟の契りを交わし、旅に出ることにした。
大学生の江子午は自分探しのため、ヒッチハイクで台湾一周を目指している。台東で雨宿りするなか、二人の老人と出会う。
トランスジェンダーの莉莉は15歳、女子校で美少女体験中。突然死した六爺からのメッセージを受信し、お葬式を出すことに。
バス旅行で父を亡くした梅宝心は、海上で散骨中に死んだはずの父からの友達リクエストを受け取る。
それぞれ異なる性、年齢、人生を歩む「わたし」を語り手とする四章の物語は、医療・介護の問題などに題材を広げながら、ときに皮肉、風刺、ブラックユーモアを交えて描き出される。
陳又津(ちん ようしん)Eugene Yuchin Chen
1986年、台湾・台北近郊の三重生まれ。作家、エッセイスト。国立台湾大学戯劇系卒業、同修士課程修了。
著作に『跨界通訊』(本書、印刻出版、2018)、『少女忽必烈』、『我有結婚病』、『我媽的宝就是我』、『新手作家求生指南』、『準台北人』など。受賞歴に時報文学賞(2014)、香港青年文学賞(2013)、新北市文学賞(2011)など。
明田川聡士(あけたがわ さとし)
1981年、千葉県生まれ。獨協大学国際教養学部准教授。早稲田大学第一文学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専攻は台湾文学・台湾映画、現代中国語圏の文学と映画。
再生──日本の読者へ 陳又津
春の章 死に急ぐ老人──陳秋生の二カ月前
夏の章 クラウドで逢いましょう──江子午の今
秋の章 美少女体験──莉莉の十年前
冬の章 霊界通信──梅宝心の一年後
「新二代」作家が描く少子高齢社会のいま 明田川聡士